「ケールの効果」
ケールとは？
拡大ケール (別名：ハゴロモカンラン)
[英]Kale [学名]Brassica oleracea var. acephala DC. アブラナ科 [アブラナ属]
ケールは地中海原産とされるアブラナ科の野菜で、キャベツの変種です。
拡大
ケールには、ビタミン群、ミネラル類、酵素類、葉緑素、各種フラボノイドを多く含んでいます。
主な成分としてたんぱく質、脂質、炭水化物、カルシウム、リン、ビタミンA、B1、B2、Cなどが豊富で食物繊維も多く含みます。ケールは栄養価が非常に高く、特にビタミンAはニンジンの2倍、カルシウムは牛乳の2倍以上、その他のビタミン、ミネラル、葉緑素（クロロフィル）、GABA（ギャバ）、食物繊維、葉酸、たんぱく質なども豊富です。
効果効能
- 野菜や果物などの植物性食品に含まれる非栄養素と呼ばれる成分が、がんや生活習慣病の予防に効果があると言われておりましたが、1982年アメリカ科学アカデミーより『食と栄養とがん』という報告書で、がん予防に有効な食品成分が発表されました。これには、発がん性物質の活性化を抑制する可能性のあるアブラナ科の野菜が脚光を浴びていますが、代表はキャベツやブロッコリーの原種であるケールです。ケールに含まれる葉酸はビタミンB群の一つで、活性酸素によって傷ついたDNAを修復する作用があるので、がんの予防効果もあります。
- ケールに含まれるビタミンAは動物性の食品に含まれるレチノールという脂溶性ビタミンで、植物性の食品（緑黄色野菜）に含まれるβ-カロテン（ファイトケミカル）はビタミンAの前駆体で、ビタミンAに変わる前の物質です。これは、視力を正常に保ち、皮膚や粘膜などの上皮組織の健康を保つ作用があります。
- ケールに含まれるビタミンB1は糖分をエネルギーに変える、糖質代謝に必要不可欠なビタミンで、これが欠乏すると体のエネルギー「アデノシン三リン酸」(ATP)の生産ができなくなり、疲労がたまりやすくなたり、脳のエネルギーであるブドウ糖も不足しますので、精神が不安定になったりもします。ビタミンB1は脚気、アルツハマーの改善や、白内障の予防になります。
拡大ケールに含まれるビタミンB2の化学名はリボフラビンで、ビタミンB群に属していて、水溶性ビタミンで、糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素の代謝に使われます。特に脂肪の代謝に大きく影響を与えます。またビタミンB2は抗酸化作用があり、老化予防になります。- ケールに含まれるビタミンC（アスコルビン酸）の最大の仕事はコラーゲンの生成です。ビタミンCは重要な抗酸化物質の1つで免疫力を高める作用があり、風邪には特に効果を発揮します。ビタミンCは、黒色色素のメラニンを予防して美肌効果があり、白内障や壊血病（かいけつびょう）、二日酔いを予防します。
- ケールに含まれる鉄はミネラルで、酸素を運ぶ赤血球に含まれるヘモグロビンという、タンパク質の重要な成分です。鉄は肝臓で酵素の成分にもなり、毒物の解毒作用の役割も果たしてします。鉄が不足すると疲労、頭痛、顔色が悪い、イライラする、月経血の量が増えるなど貧血の症状になります。
- ケールに含まれるカルシウムは体の中で1番多いミネラルで、99％以上が骨に存在して残りは血液中に存在します。血液中のカルシウムは酵素の活性や血液凝固、心臓の鼓動の調整、筋肉の収縮など体の機能に重要な役割を果たしています。またカルシウムには動脈硬化を防ぎ、ストレスの症状を和らげる作用もあります。
- ケールに含まれる食物繊維は、生活習慣病を防ぐ効果があり、水溶性食物繊維と難溶性食物繊維の2種類あります。食物繊維は腸内の有害物質を掃除して（デトックス効果）、がんを予防して、便秘改善します。さらに食物繊維はコレステロールを減らし、食後の血糖値の上昇を抑制してくれます。このため食物繊維は、ダイエットの効果があります。
- ケールに含まれるルテインは、野菜に含まれている色素成分カロテノイドの一種で、ルテインは体内では網膜のおうはんぶに多く存在して、目の網膜の黄班部が太陽光線や加齢などにより酸化して、視力の低下や黄班変性症になるのを防ぐ作用があります。またルテインは白内障や眼精疲労などにも効果があります。
- ケールに含まれるビタミンＵは胃酸の分泌を抑え、胃粘膜の修復を助けて胃潰瘍を防止する作用があります。
- ケールに含まれる抗酸化剤は、がんや老化の原因になる活性酸素を、吸収して消去する物質です。ビタミンCやアントシアニンなどが抗酸化剤です。食品が持つ活性酸素を分解する能力を、数値化したのが活性酸素吸収能力ORAC値です。そしてケールは野菜の中で活性酸素吸収能力ORAC値が一番高く、その数値は1770です。この他ホウレンソが1260、プルーン5770、ブルーベリーが2400などです。
次の「原材料と効果を知ろう」は「大麦若葉の効果」(2/9)です。